陸前高田市立博物館は、東日本大震災で発生した津波により全壊し、全収蔵品56万点が流失・水損しました。当機構は東北地方太平洋沖地震被災文化財等救援委員会の要請により、2011年(平成23年)、東京国立博物館と共に収蔵資料の救援活動に赴きました(※1)。様々な団体からなるボランティア活動により、収蔵品のうち46万点がレスキューされ、現在も安定化処置(※2)や失ったデータの再構築などの保存修復作業が続けられています。
当機構では、石碑の拓本や書跡、絵図、地籍図、アクリル画・油彩画、水彩画・版画、写真の安定化処置および、漁撈用具を中心とした民俗資料の実測図等基本データの再構築を行っており、2020年度までに延べ約2700点の作業が完了しています。
※1 発災直後の対応についてはニュースレターNo.24をご覧ください。
※2 安定化処置:洗浄、脱塩、カビの除去など、劣化を防いで安定的に保存できる状態にするための処置。